今後開催されるラグビーW杯、東京五輪が大きなインバウンド効果を生むとよく耳にされると思います。
しかし、サッカーや野球といったメジャーなスポーツ比較すると、ラグビーはマイナーなスポーツであり、ラグビーW杯が生むインバウンド効果についてはあまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。
今回はラグビーW杯が生むインバウンド効果について、過去に開催されたラグビーW杯イングランド大会の事例・データを用いて説明していきたいと思います。
ラグビーW杯日本大会の概要
開催期間:2019年9月20日~2019年11月2日
開催都市:12都市12会場(北海道/岩手/埼玉/東京/神奈川/静岡/愛知/大阪/兵庫/福岡/大分/熊本)
出場国数:20か国
総試合数:48試合
テレビ放送:世界200か国以上
前回のラグビーW杯イングランド大会のインバウンド効果
4年に一度開催されるラグビーW杯。前回は2015年にイングランドで開催されました。
チケットの総売上枚数は247万枚で発行チケットの98%が売れました。
英国以外の観客に販売された割合は約31%(77万4,000枚)と3分の1が海外の観客に販売され 、海外からイングランドを訪れた人々は40万6000人以上でした。
2015年当時では、単独メジャースポーツイベントの観客動員数としてはサッカーW杯の直近4大会に次いで5位を記録しています。
全64試合がとり行われるサッカーW杯に対して、ラグビーW杯は全48試合と試合数が多くありません。
その点を考慮するとラグビーW杯の観客動員数が驚異的であることが分かります。
海外からの観客の平均滞在日数は14日間で最も多い滞在日数は3~4日でした。
滞在日数に影響したのが応援している国の成績と居住地域だと言われています。
遠い地域に居住しているファンの滞在日数は長くなる傾向にあり、また勝ち進んだニュージーランド・オーストラリア・南アフリカのファンの滞在日数も長かったようです。
比較的開催地にアクセスしやすい ヨーロッパのファンの滞在日数は3~4日が多かったようです。
また、試合開催都市だけでなく、開催試合がない都市に訪問する海外からの観客も非常に多かったため、経済効果も大きかったといわれています。
訪問が多い都市の特徴として、試合開催都市に近いということが挙げられます。
例えば、ブリストル・バースはカーディフに近く、オックスフォードやケンブリッジはロンドンに近いです。
ラグビーW杯日本大会の現状と展望
日本大会のチケットは180万枚用意されており、開催まで一か月を切った時点で全体の90.5%にあたる164万枚が売れています。
こうしたチケット販売の好調を受けて、組織委員会は大会予算案を1割強アップの630億円にすると明らかにしました。
また、イングランド大会で100万人を動員したファンゾーンが12都市16か所に設置されます。
イングランド大会と同程度の40万人以上のラグビーファンが日本を訪れるとワールドラグビーは予想しています。
また、日銀の試算によると、決勝戦などが開催される横浜市への経済効果は98億円にのぼるとみられ、そのうちの半分の48億円がインバウンドであると予想されています。
試合開催都市が日本全国に散らばっていること、イングランド大会における試合開催都市以外のインバウンド消費を考慮すると、日本全国に外国人観光客が訪れインバウンド消費が増加することが予想されます。
日本大会の開催まで二か月を切りましたが(2019/7/22時点)、これを機にインバウンド対策を進めてみてはいかがでしょうか。
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