【2019年7-9月期】日韓関係・ラグビーW杯のインバウンドへの影響は!?

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観光庁が四半期に一度発表している「訪日外国人消費動向調査」の7-9月期版とJNTOの「訪日外客数(推計値)」の9月版が公開されました。
今回はこれらの発表から見えてくる7-9月期の インバウンド 状況について考察していきます。

日韓関係悪化によるインバウンドへの影響について知りたい方は先にこちらをご覧ください。

 

依然として拡大しているインバウンド市場

訪日外国人旅行消費額は4半期連続で増加し、2018年同時期との比較では約1,000億円増加しました。
割合としては中国が最も多く、次に台湾、韓国、香港の順であることは変わりません。

しかし、日韓関係の悪化により、訪日韓国人数が2018年同時期との比較で36.2%減であったことが大きく影響して、全体の訪日外国人数は2.8%増の778万人にとどまりました。
仮に訪日韓国人数が2018年と同じだったとすると、全体の訪日外国人数は約10.7%増であったことから、日韓関係悪化が与えたインバウンドへの影響の大きさが分かります。
訪日韓国人についての詳細は下部【韓国】日韓関係悪化の影響は!? にて考察しています。

香港は大規模デモなどの影響が懸念されましたが、2018年9月との比較で訪日香港人は23.6%増の155,900人と増加しました。

 

ラグビーワールドカップの影響は⁉

また、ラグビーワールドカップ日本大会による訪日外国人の増加も見られました。
出場国のイングランド・ウェールズ・スコットランドを含む英国は2018年9月と比較して84.4%増の49,600人、オーストラリアは24.4%増の60,500人、同様にカナダが23.4%増の28,500人、イタリアが9.2%増の13,400人と、いずれも9月として過去最高を更新しました。
英国に関しては、ラグビーワールドカップの他に、ロンドン・ヒースロー空港と関西国際空港を結ぶ便が10年ぶりに復活したことも影響しているようです。
日本経済新聞がイングランド対米国戦があった神戸・御崎公園球技場で観戦客に行った調査によると、ラグビーファンの訪日旅行支出総額は2018年の訪日外国人の全体平均の2倍にも及んだようです。
特徴的なのはラグビーファンの宿泊費の高さです。
2018年の訪日外国人宿泊費の全体平均の3倍だというデータが見られました。

 

訪日外国人旅行消費額の費目別構成比をみると、買物代が33.0%と最も多く、次いで宿泊費(30.1%)、飲食費(22.1%)の順で多くなっています。
訪日外国人旅行消費額は増加しましたが、費目別構成比を見てみると、消費の内訳は2018年とほとんど変化がないことが分かります。
国別に見てみても、宿泊費・飲食費の支出額は欧米が高く、買物代はアジアが高いという特徴に変化はありません。

 

【タイ】顕著な増加が見られたタイ


平均泊数が93%増加したことに伴って、各費目の旅行支出も大幅な増加を記録しています。
増加の要因の一つとして挙げられるのはタイ全土での日本食人気です。
日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所が毎年実施する調査によると、タイにある日本食レストランは2018年と比較して21%増の3637店でした。
顕著な増加を見せたのは地方都市です。
首都バンコクでは16%増の1993店だったのに対し、地方は28%増の1644店と大きな伸び率を記録しました。
結果として訪日タイ人の旅行支出総額は37.6%増加し、2018年同時期との比較で最も大きな増加を記録した国となりました。

 

【韓国】日韓関係悪化の影響は!?

日韓関係悪化前4-6月期の訪日韓国人数は177万人でしたが、日韓関係悪化後の7-9月は107万人と39.5%も減少しました。
また、日韓関係悪化前の4-6月期の訪日韓国人一人当たりの訪日旅行支出は69,102円で平均泊数は3.7泊でしたが、7-9月期はそれぞれ85,421円と7.5泊でした。

以上より、日韓関係悪化が訪日韓国人の旅行トレンドも変化させたことが分かります。
日韓関係の悪化やそれによる日韓発着の航空便の減少により、滞在期間が短い観光目的の訪日韓国人が減少した一方で、日本への関心度が高い韓国人は長期間の訪日滞在を楽しんでいるのではないかと考えられます。

日韓関係悪化によるインバウンドへの影響をPaykeスキャンデータから考察した【訪日韓国人の減少予想をPaykeデータから見る!】もあわせてご覧ください。

 

 

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