「春節」で訪日中国人による消費は増える?

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1月25日は中華圏のお正月「春節」です。
中国だけではなく、韓国香港台湾シンガポールマレーシアベトナムといった国々が「春節」を祝うため、祝日となります。

「春節」はインバウンド対策の中でも大きく取り上げられるイベントです。
なぜなら、「春節」を祝う国々は地理的に日本に近いため、訪日外国人の大半を占めているからです。

今回は実際に中国人が「春節」をどのように過ごし、どのような消費が行われているのか考察していきたいと思います。

 

実際、中国人は「春節」をどのように過ごすのか?

中国では春節の前日(大晦日)から7日間が一般的なお休みになるようで、2020年では1月24日~2月1日が休暇期間になります。

2017年の中国人の春節での過ごし方についての調査を見てみると
32%が「帰省」、31%が「遠出しない」、27%が「国内旅行」、11%が「海外旅行」ということで、国内に留まる過ごし方が一般的であり、海外旅行は1割程度です。

 

中国人の春節の過ごし方

 

春節で海外旅行をする中国人は1割と聞いて少ないという印象を受けたかもしれません。
しかし、中国は14億人もの人口を抱えているため、1割とは言っても日本の総人口に匹敵する数の中国人が海外旅行することになります。
したがって、実際には大きなインパクトを与えるのです。

中国人の春節の過ごし方として、20代30代といった若い世代が帰省をして家族で過ごすということは多いです。

しかし、近年では春節に旅行に出かけ、新年を旅先で迎えるといったトレンドが見受けられます。
2019年の春節で中国国内を旅行した人は前年同時期比7.6%増の4億1500万人で、観光収入は前年同時期比8.2%増の8兆168億円(5139億元)に達するといった統計も存在します。
※人民網日本語版2020年01月02日より

こうしたデータから、春節の過ごし方としては、帰省または旅行が一般的であるということが分かります。

 

春節時の消費傾向

日本での年末からお正月にかけて消費というと、百貨店やECサイトでのセールやおせち、お年玉などが一般的だと思います。
中国では春節にどのような消費を行っているのでしょうか?

 

商品カテゴリ別春節での消費額ランキング

1位:家族や自分の新年商品の購入(衣服・食品など) 40.4%
2位:紅包(お年玉) 22.9%
3位:親族へのおもてなし(ごはん・プレゼント) 14.5%
4位:旅費(チケット代) 8.3%
5位:交通・交際費 4.0%
6位:その他 9.9%

 

中国では新年商品の買い物やごはんや贈り物だけといった食費・買い物代だけでなくお年玉に当たる「紅包」に消費も大きいことがわかります。

2019年の春節での年齢別の総消費額を見ると以下のようになります。

 

【年齢別】春節での消費額

 

※5000元は約7万5000円、10000元は約15万円を目安としてください。

年齢が上がるにつれて春節での消費額が大きくなることが分かります。

「商品カテゴリ別春節での消費額ランキング」で春節消費で最も多くの割合を占めていた「新年商品の購入」ですが、どのようにして購入しているのでしょうか?

 

オフラインが盛んな春節消費

春節ではどうやって商品を購入するか

 

春節にECサイトで買い物をするのは14.6%残りの85.4%がオフラインで買い物をするようです。
世代が若くなるほどオンラインの割合が増え、高くなるほどオフラインが増えていく傾向が見えます。

春節期間の消費でオフラインが高い理由としては、
① 春節では物流の乱れが発生し、配送が遅れる為に必要なものは事前に購入するか、オフラインで購入すること
②家族で買物に出かけることが春節(年末年始)の風物詩になっていること
が挙げられます。

オンラインでの春節消費は見込めない?

つづいて、オンラインでの春節消費に着目してみましょう。
2019年の春節期間での中国のECサイト「京東商城(JD.com)」での消費を見てみると、全体で昨年比42.7%増加しており、年々オンラインでの購入も伸びてきていることが分かります。

次に、「売上高ランキング」と「販売個数ランキング」を見てみます。

 

売上高ランキング
1位:携帯電話
2位:パソコン(オフィス機器)
3位:家電用品
4位:服飾・靴・カバン
5位:インテリア用品

販売個数ランキング
1位:生活雑貨・旅行サービス用品
2位:ベビー・マタニティ
3位:食品・飲料
4位:コスメ・スキンケア
5位:服飾・靴・カバン

 

出典:JD.com京東日本株式会社 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000034149.html

消費のメイン層は20代30代であり、20代30代による売上高は昨年比で70%以上増加しているようです。

男女別での消費傾向については、
男性では「自動車用品(男性消費者全体の約83%)」「酒類(男性消費者全体の約76%)」「デジタル製品(男性消費者全体の約72%)」の順に人気で、
女性では、「ベビー・マタニティ製品(女性消費者全体の約60%)」「コスメ・スキンケア(女性消費者全体の約58%)」「生鮮食品(女性消費者全体の約55%)」が人気のようです。

オンラインでの春節消費は特に若い世代で増加傾向にあると言えます。

春節特有の傾向としては帰省した際に親戚に贈り物をする習慣から、子供に向けた「学習参考書」や「高齢者向けの健康関連商品」、縁起物として「貴金属製品」の消費が伸びます。
また、家族や親戚と過ごすため、食品や飲料の消費は非常に多く、食品・飲料で最も売上高の伸びが大きかった品目は、「冷凍食品」「家禽製品とたまご」「海鮮」です。

 

春節の消費傾向を把握したインバウンド・海外マーケティング

ここまで春節の消費傾向について見てきました。
ここからゆうこうであると考えられる春節対策をご紹介します。

 

インバウンド対策

より訪日中国人との接点が確実なポイントで行う。
または、長期的に日本への旅行計画段階から接点を持つなど精度を高める。

 

海外マーケティング

ターゲットとする中国人の春節の行動を予測する。20代や30代の場合多くが帰省する側になります。逆に年齢が上がれば、子供や孫が帰省してくる側になります。そのため持って帰るもの、もてなすもので購入商品の傾向が異なります。

 

越境EC

配送など時期的な問題を考慮する。ECでは春節期間に物流の乱れが発生します。帰省に持って帰るものや贈り物として購入されるためには、春節の帰省が始まる前に手元に届いている必要があり、 春節より前に訴求をすることが求められます。

 

まとめ

春節というと馴染みのないイベントと考えがちですが、春節は日本でいう「お正月」です。
日本でもお正月は帰省や旅行などで過ごし、こうした影響で物流にも影響が出るので、事前にお正月に必要なものは購入を始めます。
また、お正月には初売りなど百貨店やECサイトのセールで買い物を行います。

同じことが春節時の中国でも行われています。
したがって、日本のお正月に売れる商品は中国の春節でも購入される可能性があります。
まだ春節の対策を始められていない方はぜひ春節消費を逃さないために準備をしていただければと思います。

 

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そのほかにも春節について記事があります。是非合わせてご一読ください。

訪日中国人が増加する『春節』の現状とインバウンド対策

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