【インバウンド】新型コロナウイルス流行によるマスク需要への影響をPaykeデータから分析

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中国の湖北省武漢で発生した原因不明の肺炎について、新型コロナウイルスが検出されたと中国国営中央テレビが報じたのは1月9日のことでした。
これ以降、感染者は増え続け、2月11日時点で中国国内の感染者は4万4653人で死者は1113人を記録しています。
日本でもここ1か月ほどは中国からのクルーズ船の入港拒否、マスク不足などのニュースが連日報道されています。

今回は、新型コロナウイルスの流行に伴うインバウンド消費の変化をPaykeスキャンデータを用いて考察していきます。

Paykeスキャン急上昇ランキングでウイルス対策商品が席巻

2019年12月と比較して2020年1月のPaykeモバイルアプリでのスキャン数が急上昇した商品TOP100の中に、ウイルス対策商品(マスクや除菌用品)は84個もランクインしました。

なかでもマスクは大人気でTOP100に54商品もランクインし、これらのマスクの合計スキャン数は前月比15.7倍でした。

その他のウイルス対策商品はTOP100に30商品もランクインし、これらの商品の合計スキャン数は前月比15.6倍でした。
特に人気だったのは、ハンドジェル除菌スプレーでした。

 

ここからは特に大きな需要が見られたマスク(商品A)のスキャン数の推移を新型コロナウイルスの流行状況とあわせて見ていきます。

Paykeモバイルアプリ経由でのマスク(商品A)のスキャン推移

 

①2020年1月9日:新型コロナウイルスに関する初の死亡例が中国で確認
②2020年1月23日:武漢市閉鎖
③2020年1月28日:WHOは世界リスクを「高」に訂正

新型コロナウイルスの流行後に、マスク(商品A)の1か月のスキャン数は約10倍になりました。

 

マスクAをスキャンしたユーザーの国籍

スキャン推移と同じく、マスク(商品A)を例に見ていきます。

 

Paykeモバイルアプリ経由でマスク(商品A)をスキャンしたユーザーの国籍

 

12月時点ではマスク(商品A)を最もスキャンしていたのは台湾人でした。
しかし、1月に入り新型コロナウイルスが流行し始めると香港の割合が2倍以上に増加し48.3%を占め、1位となっています。
香港政府は医療当局に47億香港ドルを拠出し、その一部をマスクメーカーへの援助に充てるなど現地香港でマスク不足は深刻な問題となっています。
そういった背景から香港のスキャン数が増加したと言えます。

また、12月は台湾・香港・タイの人々にしか手に取られていませんでした。
割合としてはわずかですが、1月は中国・韓国・ベトナム・アメリカ・日本など幅広い人々もこの商品を手に取ったことが分かります。

台湾とタイの1月の割合は減少していますが、全国籍のスキャン数が約10倍と大幅に増加しているので、台湾とタイのスキャン数自体は増加しています。
台湾のスキャン数は約4.5倍、タイのスキャン数は約9倍と大幅な増加を見せました。

また、マスク(商品A)のスキャン地点は12月は主に東京でしたが、1月は東京・大阪・香港・バンコクで多くスキャンされており、訪日外国人だけでなく現地の人々のマスク需要も高まったことが確認できました。

 

日本の高機能マスクへの需要が高まる一方で、関西空港からの訪日外国人が大幅に減少したり京都で宿泊キャンセルが相次ぐなど負の影響も見られています。
新型コロナウイルスの終息時期に関して、専門家の間でも意見は分かれているようですので、こういった状況はしばらく続いていくものと思われます。
予期せず感染拡大の原因とならないためにもマスクの着用や手洗いうがいなど対策を続けていきましょう。

 

 

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