日本政府観光局(JNTO)が発表した「2018年訪日外客数動向」によると、2018年の訪日外客数は、前年同期比8.7%増の3,119万人、香港を除く19地域で訪日外客数が過去最高を記録しました。
今回は、2018年の訪日外国人の動向を振り返っていきたいと思います。
「中国:訪日旅行の多様性を訴求」
東アジア地域(韓国、中国、台湾、香港)では昨年前半、多くの国・地域で訪日旅行者数が単月過去最高を記録しました。
後半は台風や豪雨、地震などの自然災害の影響を受け、日本への旅行をキャンセルする方が多く、前年2017年の同月比を下回る月が続きました。
しかし、年末の数字を見ると回復しているようです。
中でも、中国では訪日観光客は838万人を突破し、初めて800万台に達しました。
月別でみると、7,8月の訪日が最も多く、7月には単月として過去最高となる879,097人を記録したようです。
最近、中国では大人数のツアー旅行ではなく個人旅行市場の拡大が進んでいることを受け、訪日旅行プロモーションにおいても個々のニーズに対応できる多彩な日本の魅力をアピールするキャンペーンの実施や情報発信など、多様性溢れる訪日旅行の魅力を訴求しているようです。
訪日旅行の多様化に伴う、中国人観光客の地方への誘客が期待されます。
「東南アジア:旅行先としての日本の魅力は、順調に増加」
東南アジアの国・地域では東アジアのように自然災害の影響により訪日旅行客が一時的に鈍化することはなく、年間を通じて多くの月で訪日旅行者数が過去最高を記録しました。
また、どこの国でも訪日旅行客数が順調に伸びています。その中でも注目するべき国はタイです。
タイでは、2018年、日本を訪れたタイ出身の観光客数は113万人に上り、過去最高となりました。
東南アジアの国・地域で訪日タイ人が初めて年計100万を突破したほか、年間を通してすべての月で同月過去を更新しました。
ピークシーズンに向けて、現地での旅行フェアの開催・参加や航空便商品のキャンペーンの実施等、訪日の需要促進に取り組んだ結果、ソラクーラン(タイ正月)休暇のあった4月には単月として過去最高の14.8万人が日本を訪れました。
「欧米豪:好調な経済状況とクルーズ需要拡大が下支え」
最後に、欧米豪です。
イースター休暇の日程変動の影響により、月によっては訪日観光客数が前年同月を下回る月もありましたが、多くの月で前年をはるかに上回り年間トータルでの訪日旅行客は増加しました。
また、欧米豪では各国の経済状況により、訪日旅行が大きく左右される傾向が見られ、米国をはじめとするほとんどの国では、好調な国家経済が訪日旅行客の増加を下支えし、年間を通じて訪日旅行客数が伸びました。
加えて、訪日クルーズ需要の拡大も欧米豪からの訪日旅行客の増加要因と言われています。
2019年の9-10月にかけて開催されるラグビーワールドカップは欧米豪に熱狂的なファンを持つと言われています。
こうしたイベントの開催から2019年、欧米豪からの訪日外国人客はより増えると予測されています。
2018年は年間訪日外国人観光客数が初めて3,000万人を突破しました。
また、今後日本では「ラグビーワールドカップ」を皮切りに、世界的なイベントが続々と開催されることから、訪日観光客数の増加傾向が続くと予想されています。
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