今回は、訪日外国人の約6割を占める「リピーター」について考察していきたいと思います。
訪日外国人旅行者の6割は、「リピーター」
観光庁の調査によると、訪日回数が2回目以上の訪日リピーターの割合は、日本にやってくる訪日外国人旅行者全体の(2017年2869万人)の約6割を占めています。
リピーターの割合自体は毎年60%前後であり、大きな変化はないですが、年々増加する旅行者数に伴い、訪日リピーター数も右肩上がりが続いています。
2017年はその数が約1761万に達し、今後もリピーターの増加傾向は続くと予想されます。
旅行の高い満足度が日本再訪につながっている?
なぜこれほど訪日リピーター率が高いのでしょうか。
その理由として、日本旅行に対する高い満足度が挙げられます。
訪日外国人に行った観光庁の調査結果にによると、今回の日本訪問全体での満足度が「大変満足」と答えた人の割合は51.0%であり、「満足」41.7%を含めると9割以上の旅行者が日本旅行に満足しています。
また、日本への再訪意向を訪ねたところ、2017年は「必ず来たい」、「来たい」と答えた旅行者は、それぞれ58.6%と35.3%と再訪意向が非常に高いことがわかります。
このように日本での旅行中、良い印象を持ってもらったことが高いリピーター率につながったと言えるでしょう。
東アジアの国・地域出身のリピーターが多い
リピーターの国/地域別構成比をみてみると、韓国(30%・約370万人)、台湾(25%・約310万人)、中国(18%・約230万人)、香港(13%・約160万人)の順に高く、東アジアの国・地域出身のリピーターが全体の8割を超えています。
欧米に比べて近距離であるため、欧米は平均拍数が10日以上(観光・レジャー目的)であるのに対し、東アジアは平均5日程度(観光・レジャー目的)で比較的短い傾向を見せています。
このように、日本旅行への時間的・経済的負担が比較的少ないことが、東アジア出身のリピーター率が高い理由として考えられます。
訪日回数が増えるにつれて、一人あたりの旅行支出も増加
訪日旅行回数と一人当たり旅行支出の関係をみると、どの国・地域も訪日回数が増えるにつれて、旅行支出が増加しており、最初の訪問時の支出に比べて10回以訪日している「ヘビーリピーター」の支出は2~4割程度高いです。
なかでも、中国人訪日旅行者は、その傾向が著しく、「ヘビーリピーター」の支出(30.2万円)は「1回目」(22.1万円)と比較して8.1万円も高いことで注目を集めています。
訪日リピーターは何を求めて再来日するのか?
東アジアの国・地域からの訪日リピーターは何を求め、どこを訪れているのか?
データを見ると面白いことがわかります。東アジアの国・地域の訪日回数別の地方への訪問率を見ると、韓国、香港、台湾は訪日回数が増えるほど地方への訪問率が高くなっていきます。
しかし、中国は訪日回数が増えると地方への訪問率は減少します。
また、東アジアの国・地域の「訪日回数別の今回の観光で行ったこと」の調査を見ると、訪日回数が増えるほど、韓国、香港、台湾は「日本の酒を飲むこと」「温泉入浴」が増加します。
しかし、中国は「日本の酒を飲むこと」は増加しますが、「温泉入浴」は減少していきます。
このデータから読み取れるのは、韓国、香港、台湾からの訪日外国人は訪日回数が増えるほど地方の温泉などの観光地を訪れる傾向があり、逆に中国からの訪日外国人は、訪日回数にかかわらず大都市へ訪れているのではないかと考察することができます。
同じ東アジアの国・地域からの訪日リピーターではありますが、データを見ていくとその行動には違いがあることが見えてきます。
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