訪日客が増加する広島のインバウンド事情とは?

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8月6日、74回目の原爆の日を迎えた広島。
2019年の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)には、92か国とEUの代表が参加し、祈りを捧げました。

毎年、多くの国と地域の代表が訪れることにより注目を集める広島ですが、
2018年の訪日外国人数も前年比+13%の275万人となり、7年連続の成長を記録しました。
なぜ広島に訪日外国人が訪れているのでしょうか?
今回は広島のインバウンド事情について考察していきたいと思います。

 

訪日外国人に広島が人気?

 

まず最初に、広島が訪日外国人にどれほど人気なのか、下表の「中四国ブロックにおける訪日外国人数と一人当たり消費単価」をご覧ください。
中四国ブロックにおける訪日客数と一人当たり消費単価

 

 

2018年の中四国ブロックにおける訪日外国人数ランキングTOP10には、1位・4位・6位・9位・10位に広島が入っています。
1位の広島市中区には原爆ドームや平和記念資料館・縮景園があり、
4位の廿日市市には日本三景の宮島・厳島神社・大本山大聖院があります。
6位の広島市南区には広島駅があり、日本の他都市から新幹線で広島を訪れる人々の入り口となっています。

また、トリップアドバイザーが発表した下表「外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2019」にも広島の観光スポットが数多くランクインしています。
以下の表をご覧ください。

外国人に人気の日本の観光スポットランキング

 

どのような訪日外国人が広島を訪れているのか?

 

広島を訪れる訪日外国人の国籍には、他の都道府県とは異なった特徴があります。
2018の観光庁「宿泊統計調査」によると、広島の訪日外国人は欧米が42%を占めており、全都道府県で最多です
ほとんどの都道府県では、中国・台湾・香港・韓国といった東アジアからの訪日外国人が多数を占めています。

では、なぜ広島だけにこういった特徴が見られるのでしょうか。
その理由の一つに挙げられるのが、広島が戦争の悲惨さを示す都市として欧米人に認知されていることです。
欧米では戦争教育が盛んで、特に原爆ドームの認知度は高いようです。
また、2016年にバラク・オバマ氏が現職の米大統領として初めて訪問したことも、広島への訪問意欲を喚起する要因となりました。

 

広島を訪れる訪日外国人は消費額が小さい

 

データによると、広島市の課題として訪日外国人支出額が低いという点が挙げられ、
この要因としては日帰り旅行が多いということが考えられます。

日帰り旅行が多いポジティブな要因は、大阪・福岡等からのアクセスが良いことです。
新幹線を利用すると広島へは、新大阪から1時間30分程度、博多からは1時間程度でアクセスが可能です。
加えて、主要な広島市周辺の観光地は、路面電車で手軽かつリーズナブルに回ることができます。

ネガティブな要因としては、広島市内のホテル不足が挙げられます。
2018年、広島にあるシティーホテルの年間稼働率は85%で、全国で最高を記録しました。
このような状況から、広島駅ビルの再開発にともなってJR西日本が高層階に400室規模のホテルを
新設することを発表するなど、広島は現在ホテル開発ラッシュとなっています。

同じ広島県の尾道市・福山市では訪日外国人数はそれほど多くないものの、
豪華クルーズ船が発着することに加えて、高単価のホテルが多いことが、一人当たり消費単価の上昇に繋がっているようです。

広島市では、このようなホテル不足を解消することによって滞在期間を延ばしてもらい、
その間に消費金額を高めてもらうための工夫が必要となっています。

 

 

 

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