訪日外国人(インバウンド)は年々増加しています。この増加に伴い、インバウンド対策の必要性も比例して増しています。
今回は、より効果的なインバウンド対策を訪日外国人が実際に抱えている不満から考えていきたいと思います。
日本に滞在している訪日外国人が困ったことについて観光庁がアンケートを実施しています。平成29年度に行われた調査では、回答の上位に挙がっているのは「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)」といったコミュニケーションに関する項目、次いで挙がっているのが「無料公衆無線LAN環境」です。最も困ったことを1つだけ選択してもらうと、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」23.7%に次いで、「無料公衆無線LAN環境」は2番目に高い回答率です。
Paykeは訪日外国人にインタビューを行い、滞在中に困ったことなど生の声を聞きました。
「【訪日外国人インタビュー】訪日外国人の買い物の実態とは?」をご覧ください。
コミュニケーション、「言葉の壁」が上位に上がることは理解できますが、なぜ、「無料公衆無線LAN環境」が上位に挙がっているのでしょうか?
その理由を考察するために、訪日外国人が旅行中に「無料公衆無線LAN環境」を使用している状況、つまりスマートフォンやパソコンでインターネットを利用して何をしているのかについて注目しました。
そこで注目をしたデータが、訪日旅行消費額の多い国・地域別での旅行情報源ランキング(旅行出発後)です。このデータを見ると、約80%以上の訪日外国人がスマートフォン・パソコンを使用し、旅行中に情報収集を行っていることがわかります。
こうしたスマートフォンやパソコンで情報収集をしている場面は、先月10月、Paykeが行った渋谷(原宿・表参道)での訪日外国人インタビューの中でも見受けられました。量販店・ドラッグストアなど、訪日外国人が数多く訪れる店舗でインタビューを実施するなかで、訪日外国人の多くがスマートフォンを見ながら買い物を行っており、「スマートフォンで何を見ながらショッピングをしているのか?」という質問を行ったところ、約73%がブログやSNSを見ているという結果が分かりました。訪日経験のある同国人のブログやSNSをみながら、おすすめ商品を購入しているということです。
また「何を使用して情報収集をしているのか?」についても質問したところ、訪日経験のある同国人のブログやSNSだけでなく、GoogleMapなどの地図アプリで次の目的地について調べている人や、観光情報サイトなどをスマートフォンで閲覧しているといった回答が得られました。
こうした結果からも、日本にいながら、日本人とコミュニケーションをとらなくてもインターネットで自身の母国語で情報を得ることができます。そのため、訪日外国人にとって、スマートフォンやパソコンでインターネットが使用できる無料公衆無線LAN環境が整備されていないことがコミュニケーションだけでなく「最も困ったこと」として上位にあげられるのではないではないかと思われます。
Paykeではインバウンドの最新情報やインバウンド対策事例など情報発信を行っております。
ぜひ、そのほかの情報もご一読いただければ幸いです。